ツッパリ、きっぱり、意地っ張り「しゅごキャラ!」

日本人以外の視聴者がこのエピソードを視たとき、日本人とはどういう民族なのかということが三つ分かります。
一つは王族に対し尊敬心を持ち決して憎しみを抱いたりしていないこと。
二つにはそれでいて人種や身分で人間としての尊厳が損なわれていたりしていると思っていないこと。
三つ目には身分・職能は自分の努力願望で実現できることであると堅く信じていること。
そんな日本人ですが、自身はそういう思想を形成したのは永い年月に培われた歴史の所産だということをさっぱり意識していません。生まれたときからこういう考えでいるのが当たり前だと思っているから、世界には違う考えの人間がいることなど意識したことが無いのです。
日本以外の国なら召使と主人が対等の問題意識を持ち、共に悩み、共に喜び合う場面があるなどとは夢想しません。両者は住んでいる世界が違うので立っている位置が違うのが当然だと考えるのです。
それはそのまま王族と平民に当て嵌まります。子供が共に同じ教室で学んだり、将来の夢を語り合ったりなど出来るはず無いというのが常識なので、日本のアニメが何の迷いも無く金持ちと貧乏人が友達づきあいしている場面を描くと戸惑ってしまうのです。
綯鹿姫が平民を子分にして虫集めに興じているのは中国思想(道教)の影響ではありません。日本人は古代から日本語という共通の土台があり、日本語を操るということは同じ人間だという信念でせいかつしているからです。
確かに一方は大納言の姫君で、一方は近郊の農民の子かもしれません。でも、虫遊びが好きで虫に対する知識なら貴族平民関係なく議論も批判も理想も語り合えるという身分を越えた共通の世界を共有できているのです。
古代の段階でこうなのですから、近代近世に到っては身分の差というものは急速に接近して当たり前。「仮面の共産主義国」と謂われる所以です。
流石に遊び仲間では平民相手でも、結婚相手となるとそうは簡単にいきません。綯鹿姫も番茶の出花の年頃(十三四)になると、嫁探しの貴公子仲間でも話題になります。勿論好い評判では在りません。大納言の一人娘は年頃になっても化粧も出来ない和歌も読めない落ち零れ姫だと散々です。
それでも奇特な若者はいるもので、
「一目でも見てから決めても損はあるまい。なにせ大納言家の一人娘上手くすれば逆玉だもの。」
と、忍んでやってきた公達がいました。
姫様はというと相も変わらず子分供あいてに虫談義の真っ最中。深窓の令嬢だというのに庭先に出て大声で笑い合ったりジャレ合ったり。今日も得意の「万物平等論」を展開しています。
(姫)貴方たちこの前「前科者」の子を虐めていたでしょう。親が酸っぱい葡萄を食べたら子供の歯が疼くとでもいうの。親の罪は親の罪、子の罪は子の罪じゃないのかしら。
(けら)そんなこと言っても「親の因果が子に報い」って近所の爺っさも言ってたしなぁ。
(ひき)姫様だって「蛙の子は蛙」て俺のことをいってたじゃないかよぉ
姫様はぼうぼうの眉毛を顰(しか)めて「度し難いわね貴方たちは」と、こぼします。
昔の聖人に足斬りの刑にあった先生がいました。学友が批難して曰く。
「君と僕とを一緒にしないでくれ給え。君は今まで身を慎まなかったからそんな目に遭ったのだ、今更勉強したところで手遅れだろう」
聖人の嘆いて曰く。
「自然は私に二本の足を与えてくれた。片方無くなったのは運命と言うもので、そんな過去のことなど疾うに忘れてしまっているよ。同じ師匠から教えを受けているのに、そんな偏頗な心を持っていること自体が恥ずべきことじゃないのかね。」(出典:「荘子」内篇、徳充符第五)
(けら)姫様、言っている意味がわからねよ。
(姫)罪や生まれつきで不具者になったことなんて本来の人間の徳には関係ないってことよ。まして、親が立派であろうが前科者であろうが、子供に何の関係も無いわ。人は人自分は自分。その人の努力次第で聖人にもなれるし仙人にもなれるのよ。
子分たちは相変わらずの姫様節に相槌をうつものの、茶々を入れることを忘れません。
(ひき)そんなこと言ったって、姫様もお婿様は公達の中から選ぶのじゃろ
姫様はさすがにどぎまぎして、照れ隠しに言い訳する様が結構可愛い。
(姫)ば、莫迦なこと言わないでよ。私はまだお婿さんなんて考えていないんだから。
(けら)だったら姫様、なんで紅くなってんだぁ
(姫)うるさい!うるさい!!うるさい!!!(釘宮調)
垣間見していた公達。評判ほどでもない姫の普通さに好印象です。
「お化粧していなくてあの愛嬌なら、眉を剃ってお鉄漿(はぐろ)をしたらどんなに美しくなることか」
そこで、ついつい悪戯心が騒ぎ出すのでした。
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![]() | しゅごキャラ! アミュレットBOX2 (2008/08/20) 伊藤かな恵阿澄佳奈 商品詳細を見る |
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- 2008年
- 06月
- 21日
- (土)
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